アトピーと母乳の関係

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母乳には免疫機能を高める栄養素が含まれている

胎児は無菌状態で育っています。お腹の中では無菌でも問題ありません、栄養は胎盤を通じてへその緒から供給されます。しかし、産道をとおってこの世に生まれた瞬間、様々な細菌に感染するリスクが発生します。産道にも細菌は居ますし、出産直後に触れる母親の肛門には細菌がいます。それらに触れることは赤ちゃんにとって重要なことで、へその緒から栄養を吸収していた形から腸で栄養を吸収するための準備となります。腸内細菌は口にした食べ物を分解、合成し栄養素に変えて吸収するからです。

 

逆に生まれてすぐに無菌室に入れられ育てられた赤ちゃんは免疫力がなく、腸内細菌は殆ど検出されることはありません。それと同じ状態だと思われる赤ちゃんはアトピー性皮膚炎を発症し治らない状態が続いていました。その赤ちゃんの便を調べたところ、大腸菌が全く検出されないというケースも40%程度で見られました。これは驚くべきことで、大腸菌などの細菌であっても腸内環境を整え免疫システムの一躍を担っており、なおかつアレルギー抑制効果を持っていることが分かったわけです。

 

そして腸内環境を構築する上でさらに必要なことが、母乳です。母乳には免疫機能を高めるために必要な以下のような栄養素が豊富に含まれています。オリゴ糖、ラクトペルオキシダーゼ、リゾチーム、ラクトフェリン、補体成分、分泌型IgAなどです。特に腸内有害菌の増殖を抑制したり、腸管の働きを増加促進成長させるなど生まれたばかりの赤ちゃんには欠かせない成分が豊富に含まれています。

 

母乳には腸内環境を整えるだけでなく、もう一つ重要な役割があります。それは例え遺伝的にアレルギー体質を持って生まれたとしても、母乳中心で育てることによってアレルギー発症を可能な限り抑制できるということです。アレルギー体質は親から子供へと遺伝しやすいと言われていますが、例え遺伝したとしても発症するとは限りません。また、親がアレルギー体質でなくても子供がアレルギー体質になることもあります。

 

アトピー性皮膚炎に特化した調査結果によると、親が何らかのアレルギー体質でアトピーを発症しているとその子供の7割はアトピーを発症していることが分かりました。このように遺伝的な問題によりアトピーを発症する子供が増えてきたのは、乳幼児に母乳を十分与えずに粉ミルクなどで育てたことによると考えられます。しかも最近は授乳を早めに切り上げて、離乳食へと切り替えることも原因とされています。

 

つまり、アレルギーを発症しやすいのは母乳に含まれる成分を十分に摂取できていないからであり、逆転の発想でいけば母乳をしっかりと与えていればアレルギー体質が遺伝していたとしても、アレルギー疾患の発症は抑えることが可能になるということです。奇しくも、昔の日本人は母乳によって子育てを行っていました、そのこともアレルギー疾患が少なかったことの要因ではないかと考えられます。母乳の大切さを今一度見直してはどうでしょうか、安易に粉ミルク、離乳食に走るのはよくないと思えるはずです。