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腸内細菌のバランスがよい人は免疫のバランスも良い

無菌状態で育てられたネズミは、そうじゃないネズミよりも1.5倍長生きしたという実験があります。
これだけを見ると無菌で育てられた方がいいんじゃないの?って思うでしょう。

 

しかし、これにはからくりがあります。
無菌状態で一生を終えたネズミと、そうでないネズミの比較となっている点です。
ポイントは無菌状態で育てたネズミを、無菌室から外に出してしまうとあっという間に死んでしまうことが分かっています。
無菌状態で長生きするのは当たり前のことです、なぜならば体に害を与える細菌が存在しないわけですから。
逆に無菌状態を解除すると、外から入ってきた細菌にあっという間にやられてしまうわけです。

 

別の実験では腸内細菌のいるモルモットと、そうでないモルモットに悪玉菌であるウェルシュ菌を与えると、腸内細菌のいるモルモットは健康を維持できましたが、そうでないモルモットは体内でウェルシュ菌を増加させてしまい死んでしまいました。

 

これらの実験は人間にも当てはまります。
人間の生活環境にも様々な細菌が存在していますが、それらに感染して発症する人とそうでない人というのがいます。
これは免疫システムがしっかりと構成されているかどうかがポイントなのです。
腸内環境がバランスを保っている人は強く、そうでない人は弱いのです。
腸内細菌には善玉も悪玉もいますが、それら両方がバランスをとっていることが重要であり悪玉だからといって排除してしまっては逆に体には悪くなってしまうことを意味しています。

清潔なほど危険が増す!O157と腸内細菌の関連性

O-157は病原性大腸菌と呼ばれる大腸菌の一種で、人間の体内に入ると100個ぐらいの少ない菌の数で腹痛などの症状が現れる病原菌です。
O-157はベロ毒素を作り出しその毒素によって腸などにダメージを与えます。
大腸菌の中にはこのように人間に有害なものもいれば、そうでない有益なものもいます。

 

また、このO-157は自らの生命を維持する力は非常に弱く、雑菌などが多い場所では生き延びることが難しい菌と言われています。
そのため、日本でO-157が猛威を振るったのはカイワレ大根が原因といわれていて、カイワレ大根はほぼ無菌の状態で育つことからO-157を媒介してしまったと考えられています。

 

O-157は少ない数で症状を出す病原体ですが、O-157が体内に入ったからと言って、必ずしも症状が出るとは限りません。
昔、大阪の堺市でO-157が猛威を振るった時でも、体内からO-157が検出されても症状が出ていない子が30%近くいたことが分かっています。
残りの70%の子は何らかの症状が出ていて、20%近くは重篤になりました。

 

この違いは単純に免疫力の違いであるとされていますが、根本には腸内細菌による免疫システムが関係していると考えられるのです。
綺麗な環境でなければO-157は生き延びれないとすれば、綺麗な社会とはまさにO-157にとって好都合な社会であるともいえるでしょう。
その証拠に、O-157はアメリカ、カナダ、日本、ドイツ、イギリス、フランスなど綺麗な社会を実現してきた国でのみ猛威を振るっています。